アース国際特許商標事務所

ランボルミーニ事件【パロディ商標は許されるのか?】

「LAMBORGHINI(ランボルギーニ)」といえば、イタリアの自動車メーカーで、高級スポーツカーブランドとして世界的に知られています。

事件のあらましは、甲が、【第12類】の「自動車並びにその部品及び附属品」及び、【第35類】の「自動車並びにその部品及び附属品の小売等駅」について、「Lambormini\ランボルミーニ」を商標登録したことに始まります。

ランボルミーニ

また甲は、ホームページ上の広告において、

「ランボルギーニを愛する11名が考えに考え抜いた究極のカスタムバギー/ランボルミーニ登場!」
「ラボルギーニじゃなくてランボルミーニ!?」

などと表示して、「ランボルギーニ」を意識していることが伺えます。はたして、この「ランボルミーニ」は、パロディ的使用ということで、笑って済まされるもなのか、許されざるものなのか??

下の、左図の商標はランボルギーニ社の登録商標ですが、牛の尻尾の部分も、似ていますね。

ランボルギーニ?

もちろん、当のランボルギーニ社は黙ってはいません。甲の商標登録について、無効審判を請求しました。無効理由は、4条1項7号、10号、15号、19号です。

しかし無効審判では、ランボルギーニ社の請求は認められず、甲の商標登録は維持されました。これに対してランボルギーニ社は、審決等取消訴訟を提起しました。

審決取消訴訟

知的財産高等裁判所は、本件商標と引用商標「LAMBORGHINI」が、互いに類似するものと認めたうえで、甲の商標登録は、商標法4条1項10号、15号、19号違反の無効理由を有するものとして審決を取り消す旨の判決をしました。

商標法4条1項10号

「「LAMBORGHINI」は,本件商標の出願以前から現在に至るまで,イタリアの高級自動車メーカーである原告又は原告の業務に係る商品「自動車(スーパーカー)」を表示するものとして,日本国内の自動車の取引業者や愛好家の間で広く知られているから,(中略)本件商標は,他人の業務に係る商品(自動車)を表示するものとして,需要者の間に広く認識されている商標に類似する商標であって,その商品(自動車)に使用をするものに該当すると認められる。」

商標法4条1項15号

「本件商標は,引用商標と類似する商標であり,その指定商品に引用商標が使用されているのと同一商品(自動車)を含むこと,被告は,「Lambormini」や「ランボルミーニ」との商標を使用して,原告の製造,販売に係る自動車を模したカスタムバギーを製造,販売していること等を総合すると,本件商標は,他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれのある商標に該当すると認められる。」

商標法4条1項19号

「原告が世界的に著名な自動車メーカーであり,引用商標も原告の業務に係る商品(自動車)を表示するものとして需要者の間に広く認識されていることや,かかる引用商標と本件商標が類似の商標であることを認識しながら,(中略)カスタムバギーを製造,販売していることが認められる。そうすると,本件商標は,被告が,不正の利益を得る目的,他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用をするものと認められる。」

との結論で、甲の商標登録は無効になりました。ちょっとした遊び心なのか、不正の目的があるものなのか、判断は難しいですが、やはり権利者の意に反したパロディ使用をすることは避けたいですね。