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著作権判例

2ちゃんねる事件東京高判平成17年3月3日 平成16年(ネ)第2067号

事件のあらまし

電子掲示板「2ちゃんねる」に、自己の著作物である対談記事を転載された著作権者(原告)は、「2ちゃんねる」の運営者(被告)に対して、メールで著作権侵害に該当する旨の警告と、記事の削除を要請しました。しかし、2ちゃんねるの運営者は「削除依頼版へお願いします。」と返信するのみで何らの措置もとらなかった。それに対して原告は、著作権(送信可能化権、公衆送信権)の侵害であると主張して、訴えを提起しました。

判決

原判決は、請求棄却。その後、原告は東京高等裁判所に控訴した。

著作権(送信可能化権、公衆送信権)

東京高裁の判断によると、「インターネット上においてだれもが匿名で書き込みが可能な掲示板を開設し運営する者は、著作権侵害となるような書き込みをしないよう、適切な注意事項を適宜な方法で案内するなどの事前の対策を講じるだけでなく、著作権侵害となる書き込みがあった際には、これに対し適切な是正措置を速やかに取る態勢で臨むべき義務がある。」とした。

また、控訴人から削除依頼のメールを受けている被控訴人は、「何らの是正措置を取らなかったのであるから、故意又は過失により著作権侵害に加担していたものといわざるを得ない。」として、著作権侵害を認めた。

コメント

インターネットの掲示板への書き込みは、その匿名性により、書き込む側の意識が低くなることもありますが、他人の著作権などの権利を侵害するような書き込みを防止したり、そのような書き込みに対して適切な是正措置を取ることは、運営者の責任でもあると判断された事案です。

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