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欧州連合(EU)に出願する場合

 (2021年10月27日 更新)

欧州連合(EU)の商標登録

欧州で商標登録する場合は、各国ごとに商標登録することもできますし、欧州連合に一括して商標登録することもできます(欧州共同体商標(EUTM))。欧州連合に一括して出願すれば、一つの願書で加盟国全体をカバーすることができます。更新や譲渡の手続きが一元化できるので、登録後の管理が容易になります。また複数の国で登録したい場合は、各国ごとに登録するよりも費用が安くすみます。

ただし、1ヵ国で拒絶理由があった場合は、出願(欧州連合全体)に影響が及んでしまうというデメリットがあります。また、1ヵ国で商標登録が無効となった場合は、欧州連合全体の商標登録が消滅します。この場合、出願または登録を、各国の国内出願に変更することが可能ですが、追加費用がかかってしまいます。

欧州連合加盟国 27ヵ国 (2021年10月現在)

アイルランド,イタリア,エストニア オーストリア, オランダ, キプロス, ギリシャ, クロアチア, スウェーデン, スペイン, スロバキア, スロベニア, チェコ, デンマーク, ドイツ, ハンガリー, フィンランド, フランス, ブルガリア, ベルギー, ポーランド, ポルトガル, マルタ, ラトビア, リトアニア, ルーマニア, ルクセンブルク

  • 言語について
    第1言語(EUのいずれかの国の公用語)に加えて、第2言語(英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語)を選択する必要があります。
  • 審査について
    出願後に「絶対的拒絶理由(識別力があるかどうか、など)」の審査が行われます。「相対的拒絶理由(他人の商標と似ているかどうか)」の審査は行われません。異議申立があった場合のみ「相対的拒絶理由」の審査が行われます。
  • 異議申立
    出願公告日から3ヶ月間、出願が競合する先行商標の所有者は異議申立が可能です。
  • クーリンオフ期間
    異議申立後、2ヵ月間は「クーリングオフ期間」が設けられています。この期間中に、当事者は交渉を行い、コンセント(同意書)により異議申立を取り下げてもうらうなど、自主的に拒絶理由を解消させることができます。この期間は、最大24ヵ月まで延長が可能です。
  • ディスクレーマー(権利不要求)制度
    識別性を有しない部分を含む場合には、その部分について権利行使をしない旨の宣言をする必要があります。
  • 指定商品・役務
    包括表現ではなく、具体的に記載する必要があります。
  • 標準文字(Word mark)
    アルファベットの小文字・大文字を 「Word mark」にチェックをして出願すれば、どのような書体で使用していたとしても商標の使用と認識されます(不使用取消審判での取り消しを免れ得ます)。
  • 商標登録証について
    マドプロ出願経由の場合は、商標登録証は発行されません。
  • 不使用取消審判
    5年間使用していない商標は、不使用取消審判で取り消される可能性があります。
  • 欧州連合での商標登録については、こちらからお問い合わせください。

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