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ルイ・ヴィトンのエピライン

私はあまり高級ブランドには詳しくはないのですが、ルイ・ヴィトンのバッグは知っています。モノグラムやダミエの柄を見るだけで「あ、ルイ・ヴィトンのバッグだ」とわかります。

みなさんは、ルイ・ヴィトンのエピラインをご存知でしょうか。

ルイ・ヴィトン社は、このエピの地模様について商標登録を受けています。

商標

地模様について

そもそも地模様は、商標法3条1項6号により、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標であるとして登録を受けることができません。地模様には特徴的な部分がなく識別標識とはなりえないからです。しかしロゴをデザインした地模様などは、不正競争防止法のもとで商品等表示として保護を認められる場合があり、商標法においても、地模様の保護を除外することの妥当性が問われていました。

このエピの地模様についても、ルイ・ヴィトン社は平成5年11月12日に出願し、「革の型押し柄の一類型と理解される模様のみよりなるものであるから,これを指定商品に使用したときには,単に商品の柄と認識されるに過ぎないものである」との理由から3条1項3号の拒絶査定を受けています。また出願人が主張した「エピの地模様は、需要者がルイ・ヴィトンの業務に係る商品であることを認識することができる程度に全国的に有名である」という3条2項の適用も否定されました。拒絶査定不服審判においても、ルイ・ヴィトン社の主張は認められず、事件は東京高等裁判所で争われました。

東京高裁による判決(平成11年(行ケ)80号審決取消請求事件)

東京高裁は、商品の地模様であっても、「そこに特徴的な形態ないし特異性が見出されれば、自他商品の識別機能を有する場合もあり得るものである」とし、地模様が商標登録の対象となり得ることを認めています。その上でエピの地模様は、「原告以外のものの商品の生地,素材の模様や図柄と対比してみても,本願商標は,商品の地模様として普通に使用されている形状及び色彩と明らかに異なった特殊性を有しているとはいい難く,地模様の形態を超えて,それ自体で自他商品識別機能を一般的に果たし得るような特徴的な形態を備えていることを肯定することは困難であるといわざるを得ない」としてエピの地模様についての自他商品等識別力を否定しています。

一方の3条2項の適用については、「本願商標を使用した本件の指定商品は,日本における昭和62年の一般顧客向けの発売以来,審決時の平成10年までの間に多額の売上を達成し,また,原告による宣伝広告と女性向けの多くの雑誌による多数回にわたる紹介がされており,これらの結果,少なくとも本件の審決時までには,その購買層である女性の需要者の間において,本願商標を指定商品に用いた場合に,本願商標のみの表示によって,原告の商品であることが広く認識されていたことが認められる」として使用による顕著性を肯定しました。これによりルイ・ヴィトン社は3条2項の適用を受けて、エピの地模様について商標登録を受けることができました。

ルイ・ヴィトン社は、エピの地模様について登録を受けるまでに8年間も費やしました。これ程までの年月と労力、資金を費やしてでも守りたい商標があるのですね。商標法の保護対象は、使用によりその商標に化体した業務上の信用です。その商標が有名であるか否かにかかわらず、安定的で継続的な事業を行っていくためには商標登録をすることは重要なのです。

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