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第32条【先使用権】

第32条1項(先使用による商標の使用をする権利)

他人の商標登録出願前から日本国内において不正競争の目的でなくその商標登録出願に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務についてその商標又はこれに類似する商標の使用をしていた結果、その商標登録出願の際(第九条の四の規定により、又は第十七条の二第一項若しくは第五十五条の二第三項(第六十条の二第二項において準用する場合を含む。)において準用する意匠法第十七条の三第一項 の規定により、その商標登録出願が手続補正書を提出した時にしたものとみなされたときは、もとの商標登録出願の際又は手続補正書を提出した際)現にその商標が自己の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているときは、その者は、継続してその商品又は役務についてその商標の使用をする場合は、その商品又は役務についてその商標の使用をする権利を有する。当該業務を承継した者についても、同様とする。

商標権は、早い者勝ちです。先に出願した者に、権利が付与されます。原則、「私の方が先に使用していた!」という主張は通りません。

しかし例外として、「先に使用していた」者に対して、「先使用権」(使用する権利)が与えられることがあります。

先使用権が認められた場合、権利行使されることなく、使用を継続できます。ただし、先使用権を主張するには、いくつかの条件を満たしている必要があります。

先使用権の条件

  • 商標登録出願前から使用していること
  • 日本国内において使用していること
  • 不正競争の目的でなく使用していること
  • 出願の商標と同一又は類似の範囲内の使用であること
  • 自己の業務に係る商品・役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていること
  • 継続して使用すること

需要者の間に広く認識とは?

「需要者の間に広く認識」されているとは、4条1項10号における「需要者の間に広く認識」よりも緩やかな条件と解されます。一般的には、一地方において認識されていれば足りるとされています。

地域団体商標についての先使用権は、条件が異なります。詳しくは、第32条の2【地域団体商標における先使用権】のページをご覧ください。

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